はじめに: DMPとは何か
DMP(Data Management Platform)とは、企業が自社のマーケティング活動を効果的に行うために、集められた大量のデータを一元的に管理・分析し、それを活用できる形にまとめる技術のことを指します。デジタルマーケティングの領域で活用されるツールの一つであり、広告配信やセグメント設定、ユーザーターゲティングなど様々な活動に使用されています。
DMPはさまざまな情報源からデータを収集します。これには以下のものが含まれます。①ウェブサイトの訪問者の行動データ②パートナー企業からのデータ③自社のCRMデータ④ソーシャルメディアからのデータ等で、これらを一元管理して各マーケティング活動に活用しています。
1. DMPが保有するデータの種類
DMPが保有するデータは大きく分けて次の3つの種類に分けられます。まず、①一人ひとりのユーザーの行動履歴を蓄積した「行動データ」、ユーザーが企業のウェブサイト等に残した成果や反応を示す「コンバージョンデータ」、そして企業が独自に有している顧客情報などの「自社データ」です。
「行動データ」は、ユーザーが自社サイトやアプリをどのように利用したか、またはどの広告をどの程度見たかなど、ユーザーの行動パターンを示すデータのことを指し、リアルタイムで蓄積、更新されるため膨大な量となります。「コンバージョンデータ」は、広告経由でのWebサイト訪問、購入、問い合わせなど、ユーザーの具体的な行動結果を示すデータです。「自社データ」は、CRMデータなどを中心に企業が独自に保有するデータであり、DMPを通じて外部と連携し活用することが可能です。
2. DMP活用法の一例:パーソナライズされたマーケティング
次にDMPがどのように活用されるかについてですが、その活用法は多岐にわたります。中でもパーソナライズされたマーケティングは、企業にとって特に有効な一つです。これは、蓄積されたユーザーデータを基に、それぞれのユーザーに合ったメッセージや広告を提供するというものです。
たとえば、過去に特定の商品を購入した経験のあるユーザーに対しては、それに関連する商品や、同じカテゴリーの新製品の紹介などを行うことが可能です。また、ウェブサイトの訪問頻度や滞在時間などの行動パターンを基に、ユーザーの興味や関心を推測し、それに応じたコンテンツを提供することも効果的です。
3. DMPの活用法の拡大とその効果
DMPの活用は、単純な広告運用だけでなく、より高度なデジタルマーケティング戦略の実現に寄与しています。例えば、DMPを活用したリアルタイム・バイディング(RTB)による広告配信は、ユーザーデータをもとにして適切なタイミングと場所で広告を提示することで、広告の効果を最大化します。
また、DMPはCRMと連携することで、一部のユーザーデータを中心に考えるのではなく、全体像を把握することにも効果的です。これにより、より詳細なセグメンテーションが可能となり、これまで見えなかったユーザー層へのアプローチが可能になるなど、マーケティングの精度と効率を高める効果があります。
まとめ
以上から、DMPが保有するデータとその活用方法について理解が深まったと思います。DMPはその膨大なデータを活用し、企業がデジタルマーケティングを更に深化させ、パーソナライズされた広告やメッセージを提供することで、消費者へのリーチと、その結果としての売上向上を実現します。
DMPの導入により企業は広告配信のみならず、CRMとの連携、リアルタイム・バイディングといった新たな可能性を追求でき、デジタルマーケティングの効果を一段と高めることが期待できます。DMPの活用は、これからのデジタルマーケティングにおける重要な要素と言えるでしょう。
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